【実践レポート】豊田市内企業がチャレンジ!!外部人材活用で企業の課題解決を推進
2024年04月03日(水)
多くの中小企業の経営者の方々は、以下のような課題を抱えているのではないでしょうか。
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豊田市では、このような課題を持った市内企業が副業・プロボノ等の多様な人材と連携し、課題解決や新規事業促進に取り組む
「豊田市副業・プロボノ人材活用プログラム」を、21~22年度の2年間取り組んできました。
2年間で計20社の市内企業が、多様な人材と実践経験を積み、それぞれの気づきや学びを得て、その後の動きに活かしています。
▼取り組み事例はこちら
≪2021年度事例≫
▶まちの自動車整備工場が挑む高齢化時代の新規事業。未知の世界に飛び込むための営業ノウハウを強化。(株式会社メイワ)
▶豊田市の歴史あるビジネスホテルのピンチを救え。副業人材の多様な目線が新規事業の可能性を広げた。(株式会社こさなぎ)
▶老舗和菓子屋がトヨタ自動車社員と挑む一押し商品の販路拡大。多彩なアイデアと実践で販促活動の幅が広がった。(株式会社風外虎餅)
▶95年続く醸造場の新規事業を後押し。組織の軸にあるコアバリューを明確な言葉にする。(株式会社丸加醸造)
≪2022年度事例≫
▶お客様のニーズに寄り添い続ける精肉店のチャレンジ。自社の魅力を言語化し、新たなサービスを生み出す。(有限会社内藤精肉店)
▶昆虫食の新規事業に挑戦。専門分野の異なるメンバーが市場を鋭く紐解く。(株式会社ニシヤマ)
▶【豊田市×ふるさと兼業事例】企業と人材の実践中の声を取材、YouTubeで紹介しています!(一般社団法人ウッディラー豊田)
2年間の事業を経て、新たに今年度実施した「人材確保力強化支援業務委託」の
”とよた人材確保・育成強化プロジェクト”
本事業は、人材課題に悩む豊田市内中小企業様に対して、人材確保や育成など今後の経営課題にも繋がるコンサルティングを通じ、実践的な取り組みとして、具体的な外部人材マッチング支援、若者層との接点や魅力創出づくりを伴走していきます。
企業課題に沿ったプロジェクトを設計し、期間限定で外部人材とマッチング・実践の機会を設けます。
そして、以下の2つのプログラムから、どちらか一方を選択し、適切な外部人材活用を推進することができます。
本記事では、副業兼業人材等の外部人材活用にチャレンジした企業の取り組み事例をご紹介いたします。
今年度の事業を活用し、外部人材を活用した取り組みをおこなったのは以下の3社でした。
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【1】トヨタ先進・PT☆プロボノ
【2】ふるさと兼業
①有限会社内藤精肉店
【魅力可視化・広報PR】まちのお肉屋さんとつくる地域ファン形成プロジェクト
②株式会社ユニソン
【新製品開発チームメンバー募集!】2030年、未来の暮らしに寄り添う新製品企画・設計プロジェクト
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今回は、上記のうち内藤精肉店のプロジェクトの事例を取り上げます。
内藤精肉店は、昨年度に「トヨタ先進・PTプロボノ」を活用したプロジェクトを一度経験していました。
当時のプロジェクトでは、3人1組のメンバーとともに、新たなサービス開発に向けて、社内のスタッフ2名もチームに加わり、役割分担をして進め、新サービスの立ち上げまでをおこないました!(事例記事はこちら)
その経験から外部人材の可能性を実感していたこともあり、今回は以下のような課題に向き合うべく、ふるさと兼業にて兼業人材を募集しました。
本事業で洗い出した当時の課題について
内藤精肉店では、お肉を通して人々に喜んでもらえる「料理をしないレストラン」を、地域の中で目指していますが、スーパーや専門店、WEB上にも競合がある中で、現在当たり前に行っている既存施策なども含めて、自社にしかない魅力の洗い出しや訴求方法をともに考え、そのための具体的な動きを進めたい。
そうすることで、地域の中でのブランド力が高まり、売り上げにも大きな影響があるのではないかと考えていました。
10~11月にかけて「ふるさと兼業」で募集をかけ、多くの人材のエントリーがあった中から、マッチングしたのは1名の東京在住の方でした。
当初、最終成果物として内藤社長がイメージしていたのは、WEBサイトやイベント運営、既存の広報媒体のブラッシュアップなどでした。
しかし、プロジェクトに共感を寄せてくれて、多様なスキルや経験をもち、各々に夢をもったエントリー者と面談していく中で、もっとこんなこともできそう!と、更にチャレンジしたいことが明確になったようです。
今回マッチングした兼業者も、経験やスキルが、現在会社に足りない部分や、やりたいけど今までできなかったことをうまく補ってくれるのではないかと感じられたことが、大きなポイントでした。
ただ、経営者自身が人材のスキルについていけるのだろうか・・・・と思い、不安な気持ちもあったようです。
しかし、そんなこと悩んでいても仕方ない!!
ポジティブな意味でやらなければいけない状況に自分自身を追い込むことで、必ずこのプロジェクトで成果を出そうと、覚悟をもって取り組もうと決めたことも、今回のプロジェクトが推進した1つの要因になっているかもしれません。
現状の進捗
プロジェクトは、兼業者の提案もふまえ、以下のようなステップで実施しました。
【STEP1】企業の理解や現状分析
【STEP2】課題の抽出と、優先度の確認
【STEP3】施策立案・検討 |
現在(3月中旬時点)では、課題の抽出から、次の一歩の施策を決めるところまで計画通り進んでいます。
これも、兼業者が経営者の想いをくみ取り、プロジェクト開始時にスケジュールをざっと描き、プロジェクトマネジメントにも取り組んでくれたことが影響しています。
企業側の気づきや学び
本プロジェクトは、内藤社長にとって、進捗成果だけでなく、自分自身や組織にも大きな影響を与えていたようです。
・今まで、外部研修やOJT研修などは定期的に導入していたが、希望者のみであった。
そのため、経営者や代表者がインプットしたものを後日、社内に展開するような体制をとっていた。今回実施したスタッフへのヒアリングを通じて、自身が想像していた以上に、挑戦心が高いスタッフが多く、ただ任せることをしていなかっただけなのではと気づいた。
・複数スタッフとの関わりや自身の意識の変化から、組織の理想のかたちは何かと考えたときに、「全員で経営する」ということだと再認識させてもらった。
これからの動きや展望
3ヶ月間の契約終了後も、内藤社長と兼業者のプロジェクトは続いていきます。
今回は市場調査や課題の抽出や優先順位の決定、それに伴う施策検討までをおこなったため、4月以降は実際にその施策をスタッフの方たちとどのように進めていくのかを考え、取り組みます。
上記のように、内藤社長にとって兼業者は、ともに事業課題や組織課題を検討してくれる信頼できるパ―トナーのような存在とも言えます。
労働人口が減少していく中で、中小企業にとっては「人材不足」は非常に大きな課題です。
そして、コロナ禍をきっかけにオンライン等の多様な働き方や地域への関心度はさらに高まっています。
企業内部の人材のみでは対応が難しい経営課題に副業兼業のような多様な人材と共に挑戦することで、企業の課題解決に近づく動きができるかもしれません。
そうすることで、多様な人材を受け入れる組織体制づくりや、長期的な「人が集まる」企業ブランドに近づくことができる可能性があります。
とはいえ、今までフルタイム雇用など従来の採用手法しか経験のない地域の中小企業にとっては、どのように募集、マッチングできるのか。マッチングしたとしても、どのように進めていくとよいのかなど、不安が多いかと思います。
豊田市では、以下のような外部人材活用のためのコーディネート費用等に補助申請ができる体制が整っています。
マッチングからプロジェクト伴走まで、企業に寄り添って支えてくれるコーディネート機関がいると安心ですね。
豊田市中小企業経営力高度化事業補助金 (補助限度額 : 30万円 、 補助率 2分の1 備考:通算1回のみ申請可能) |
全国的にも市が独自にこのような補助金制度を出しているのは、まだまだ新しい取り組みといえます。
とはいえ、国の補助金制度も活用できるタイミングもありますので、外部人材の活用に関心のある企業の皆さんはぜひチェックしてみてくださいね♪
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本事業は、令和5年度 人材確保力強化支援業務委託を受けて実施いたします。
◆お問い合わせ
【主催】愛知県豊田市(担当:産業部産業労働課)
【委託先】NPO法人G-net (担当:南田・棚瀬)
住所:〒500-8844 岐阜県岐阜市吉野町6-2 ブラザービル2階
電話:058-263-2162 /FAX:058-263-2164 メール:[email protected]
※本事業は豊田商工会議所、豊田信用金庫との包括連携協定事業として実施しています。
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