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「パラキャリ交流室」オンラインイベントレポート〜大橋量器編〜

「パラキャリ交流室」オンラインイベントレポート〜大橋量器編〜

ふるさと兼業 首都圏プロモーションチームの小路です。
今回は2019年5月に開催したオンラインサロン「パラキャリ交流室&準備室」の様子の一部をレポートします!

 

この日は「大橋量器プロボノ4名の3ヶ月実践報告会」と題して、ふるさと兼業の受入企業だった岐阜県の大橋量器さんと、実際にプロボノとして参画された4名の方々を囲み、「ふるさと兼業やってみてどうだった?」をざっくばらんに伺いました。

4名が参加された大橋量器のプロジェクトはこちら

パラキャリ交流室・準備室とは

ふるさと兼業に参加している兼業者と、兼業者と企業を繋ぐコーディネーターが参画しているオンラインサロン。実践者の話を聞きながら、横のつながりをつくっていくことを目的にしています。

 

オンラインイベント当日の流れ

■ 1分自己紹介
 大橋量器の社員さんや兼業実践者、各地のふるさと兼業コーディネーターなど全国各地から15名の参加者で実施。初めましての方も多かったのでまずは自己紹介からスタート。

■ 大橋量器のプロジェクト担当者から取り組み紹介
 大橋量器営業部で本プロジェクトのリーダーをされていた伊東大地さんから、ふるさと兼業での3ヶ月のプロジェクトについて報告していただきました。

■ プロジェクトに参画した4名からの体験談
 プロジェクトの紹介の後は、実際に参画された4名のプロボノメンバーの体験談トーク。
・応募のきっかけ
・大橋量器参画での目標
・4人の役割分担
・実際に取り組んでみて
 ┗うまく出来たこと、できなかったこと
 ┗どう進捗させていったか
・関わってみての学びや気づき
・結果と感想(プロボノメンバー、大橋量器 伊東大地さん)

■ 質疑応答
 最後は伊東さんやプロボノメンバー、プロジェクトをコーディネートしていたコーディネーターへの質疑応答。ざっくばらんに感想含めてのシェアタイムにもなりました。

「枡の内装材」商品化プロジェクトの募集背景

大橋量器 伊東大地さん

岐阜県大垣市は、枡の生産日本一。
大橋量器は枡の専門メーカー5社のうちの1社。ヒノキを使用した枡を製造しています。オリジナルでデザインを入れたいお客さんのためにカスタマイズで作ったり、デザイナーとのコラボでおしゃれな枡を作っています。
様々なカラーで装飾した枡はニューヨークの海外の展示会にも毎年でており、海外ブランドでも販売され、メディアに取り上げられています。

しかし、酒器や量り、節分など旧来の需要は低迷を続けており、新たな市場への展開が大きな課題となっていました。その中で出てきた取り組みの一つが、「建築業界で流通させられるような内装材」ということでした。構想としては数年前からありましたが、2018年の夏から本格的にプロボノの方々の力を借りて取り組み始めました。少しずつ事業としては動きが起き始めており、先日も企業様と製造での連携の話が進み、来年出展予定の内装材の大きな展示会に向けて開発を進めることになっています。こうした成果は、3ヶ月間、プロボノのみなさんと協業してきた賜物だと思っています。

この3ヶ月は、大橋量器3名・プロボノ4名・ふるさと兼業のコーディネーターとで協力しながらプロジェクト推進に挑みました。

大橋量器  伊東さんが報告されている様子。Zoomを使いこなされていました。

 

G-net 田中勲(ふるさと兼業コーディネーター)

そもそも枡は量りからスタートしています。しかし、量りとしての需要は、皆さんが体感されているとおり減少しています。次に生まれたのがお酒を飲むための酒器としての枡。ある酒造メーカーがCMで使っていたことから火がついたそうです。

年々厳しくなる枡市場ですが、大橋量器さんは、10年以上にわたって新たな挑戦をし続けている企業で、逆境を跳ね返して売上も向上しており、組織も若者が働きたいと飛び込んでくる会社です。ですが、それでも、新たな需要・第3の需要を見出さないといけないという話はでていました。

そんな中で、枡を「内装材」として使っている事例が海外にぱらぱらと生まれだしたんです。
内装材として枡と使うと、存在感があってかっこいい。
これを本格的にやってみようということになり、社内で手をあげたのが伊東さんでした。

ただ、完全受注で作っていくというのはあまり戦略的ではない。そこでモジュールという規格を作って広めていこうということになり、今回のふるさと兼業プロジェクトでの挑戦に至っています。

実際に施工された内装材として枡。岐阜駅前の日本酒barで楽しめます。

 


プロボノメンバーは、参画してみてどうだった?

Q. ふるさと兼業に出会ったきっかけ・応募理由

Aさん:
大学の先輩からの紹介がきっかけです。はじめはプロボノという言葉すら知らない状態。でもそれよりも、大橋量器の「伝統工芸品の枠を超えたい」という熱いメッセージを見て、やってみようとなりました。ものづくりの人の熱い思いを感じてしまって…。たまたま電車の中でネットサーフィンしているときに見かけたんですが、ひっかかるものがあってすぐに応募しました。あの言葉が僕はすごくよかった。

ただ、プロボノでの関わりだったので、お金はでないけど時間をとられてしまうという点については、家族会議もしました。パートナーが寛容で「まぁやってみたらいいんじゃない」とサラっと言われたので、やろうと思いました。

Bさん:
旅行が趣味で、年間50泊くらいしていました。いろんな地域や人と出会う中で、まちづくりに漠然と興味があって、どういう風に自分が関われるかを模索していたんです。そんな時、新しい働き方会議というイベントが名古屋であり、そこで大橋量器さんと出会った。枡を内装材として使うプロジェクトが単純におもしろそうだなと。専門知識があるわけじゃなかったが、悩む前にまずはやってみようと思い、応募しました。

Cさん:
社会人1年目。会社の業務が思ったより難しく、会社の打ち合わせに参加しても自分の意見を言える状況ではなくて悶々としていたのがあります。大学院で人間工学を学んでいたが、それもうまく活かせていない状況で、仕事以外でもできることがあるんじゃないかなと思って始めました。

Q. チームでの役割分担はどのようにしていたんですか?

Dさん:
まず、プロジェクトは3つの段階に分かれていました。

①枡を内装材に使うということを改めて考え直す
②単体の部品ではなく、モジュールとして売り出していく中で、どういうモジュールにするか
③企画展のプラン作り(枠組みを考えるチーム、コンテンツを深掘りするチーム)

この各フェーズに関して2人ずつのチームに分かれて話し合っておき、全体のオンラインミーティングでは各チームで話し合った内容をシェアしながら進めていくという形式で取り組んでいました。このチーム分けは立候補で決めたんですが、それぞれ「やってみたい」と思っていたことが綺麗に分かれていたので案外スムーズに決まったという印象です。

Q. オンライン含めてどういう風に仕事を進めていたんでしょうか?

Aさん:
基本はオンラインでのミーティングが中心です。
プロボノということもあったので、本業で抱えている仕事と、プロボノプロジェクトのタスクバランスは常に意識してました。
一方で、「良いものつくるぞ!」と意気込んでもいたので、のめり込んでしまう部分もあったのが実際のところです。

その中で、「仕事とプロボノの違いって何なんだ?」という本質的な問いにぶつかった時もあります。その問いに対しては、プロボノは、相手とフェアな立場で進められて、失敗も含めて挑戦ができるものじゃないかなと自分なりには解釈しました。ある意味でトライアンドエラーの、エラーを多くすることも価値になるんじゃないかと自分で定義づけてやっていました。

Cさん:
役割分担では、専門性の有無に限らず挑戦してみるというスタンスを大事にしていました。例えば、デザイン検討のフェーズでは、建築士で専門性のあるメンバーもいましたが、多くのメンバーは専門性がなかった。そういう時でも、デザインということを「やってみる」、モジュールを「つくってみる」というスタンスで取り組むということを大切にしていました。それで良いんだと。まずは、やってくれるかもしれない人に「なげてみる」ということなのかなと。

Q. うまくいったこと、うまくいかなかったことについても教えてください。

Cさん:
チーム形成が難しかったとか、4人だからうまくいかなかったというマイナスな要素はなかったです。各々やっている仕事や専門生がバラバラだったので、1つのことをみんなでやろうとなったときに、いろんな観点で意見があったんです。自分が思いつきもしなかったことがでてきたりして新鮮でした。

Bさん:
やったことがない仕事は、どこから考え出して良いかわからないこともありましたが、経験者の存在がいることで、参考にできたり、取り組みやすくなったと感じています。全体を通して、うまくいったなと感じていて、その要因として、コーディネーターによる方向修正等のフォローの存在も大きかったです。

そして何より、プロジェクトリーダーでもあった伊東大地さんがガンガン引っ張ってくれてたこと。週1でミーティングをやって、そのときに次のタスクを明確にして、4人のメンバーをうまくマネジメントしてくれていたことでプロジェクトがスムースに進んだように思います。なので伊東さんが別のグループになってしまうと、うまく進められなかったという部分もありました。

Aさん:
最初の1ヶ月は「大丈夫かな」と感じていました。
初期段階のインプットの時は悶々としていて、「3ヶ月で終わるプロジェクトではない」と思っていました。この時にプロボノと仕事との違いを自分なりに考えてトライアンドエラーのこと(先述)に辿りついたときに、吹っ切れたんです。2・3ヶ月目は「やればなんとかなるかな」と思えるようになっていました。そういう吹っ切れがあったから、割と自由に動くことができたのかなと思います。

専門性がなくても何か貢献したいという「想い」がベースにあって、その「想い」で真剣に向き合えたことが良かったです。

受入企業側の担当者としての学びについて

Q、受入企業の皆様にとってプロジェクトの成果や学びについて教えてください。伊東さんは、多様な選択肢の中から大橋量器を1stキャリアとして選択されていますが、そういう立ち位置から多種多様なメンバーと関わることの意味や意義などありましたか?

伊東さん
就活の際、大手企業からも内定をもらっていました。でも、大企業でもしやりたいことに挑戦できずに悶々と過ごす可能性もあると考えると、大橋量器の方が自分のしたいことができると感じました。結果的に、こうしたプロジェクトを通じて多様な経験をもつメンバーと仕事ができる環境にいれることで、目標をもって取り組む姿勢や、多様な働き方や意見から自分の選択肢、というか幅がすごく広がっているのを感じます。

 

最後に

今回は、「パラキャリ交流室&準備室」のオンラインイベント・大橋量器プロボノ4名の3ヶ月実践報告会の一部をお届けしました。
担当者の伊東大地さんの若く純粋な情熱と、それに全力で応えられたプロボノメンバー4名の3ヶ月間を覗き見していただきましたが、いかがでしたでしょうか?

この「パラキャリ交流室・準備室」は、兼業を実践している人、これから兼業したい・興味のある人、地域でふるさと兼業を広めるコーディネーターが参加しています。他の兼業者の話を聞くことで、「兼業ってこんな感じなんだ」と一歩を踏み出す機会になったり、コーディネーター視点で「受け皿となる企業がこんな意識で取り組んでいるんだ」と知ることができる場になれればと思っています。

今後はイベントとして告知していきますので、興味ある方は、是非参加いただけると嬉しいです!

「パラキャリ交流室&準備室」