火力発電所のなくなった街で、世界に先駆けたジャストトランジションを作る仲間募集
- 12か月前
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募集は終了しました
プロジェクトについて
三重県尾鷲市向井地区。生まれ育ったふるさとの、この景色を残したい。
火力発電所の廃止によりトランジションが迫られているこの街で私たちは、世界に先駆けたジャストトランジションの事例を作りたいと思っています。
三重県尾鷲市は高齢化率45%、人口15990人の小さな町です。かつて栄えていた一次産業が衰退し、少子高齢化が進んでいる地方の典型的な町です。
さらに2018年には60年間稼働した尾鷲三田火力発電所が、廃止・解体、更地となりました。街に多くの雇用と経済効果を生んでいた故に、その出来事は雇用やお金だけでなく、街の人の活気もどこか失ってしまったように感じます。
世界で、そして日本でも次々に火力発電所の廃止が決まっています。ですが尾鷲のように、発電所が解体され更地となり、新たな街のあり方を迫られている事例は、国内ではほとんどありません。今世界がサステナブルな方向にシフトしており、火力発電所だけでなく、他にも多くの産業が失われようとしています。
尾鷲市はこれから世界中が直面するであろう社会課題の最先端地として『世界に先駆けるトランジションを迎えている街』とも言えるのです。
私たち尾鷲ヤードサービス株式会社は、その火力発電所の下請け会社でした。毎年同じ時期にきちんと仕事が来る。経営は順風満帆でした。
火力発電所の廃止を機に迫られた決断は、「尾鷲を離れて鉄の仕事を続けるか」「尾鷲に残り新しい仕事に挑戦するか」私たちは、地元に残ることを決めました。
本当に大丈夫なのか?やっていけるのか?様々な声が聞こえました。決断当時25人いた社員も様々な事情があり、今は3人にまで減りました。
それでもこの決断をしたのには理由があります。それは社長の思い。「生まれ育ったふるさと向井地区の石垣のだんだん畑や甘夏畑の風景を残したい。そのためにここの魅力を多くの人に伝えたい。」かつては田んぼや畑だった場所が、耕作放棄地になってしまっているけれど、ここでまた、子どもたちが走りまわり、たくさんの人の笑顔が集まる場所を作りたい。
「鉄から土へ」
私たちは社長の生まれ育った地、尾鷲市向井地区で農業を始めました。多くの方にこの地に訪れてもらい、自然と触れ合って欲しいとの思いでブルーベリー狩りや農業体験ができる「観光農園」を作りました。
しかしながら天気や自然環境に左右され、また石積みのだんだん畑では大型機械を入れることができません。観光農園だけでは事業を成り立たせることが難しいことがわかってきました。
その時目をつけたのは、火力発電所を見下ろす位置にある耕作放棄地。かつては甘夏の栽培が盛んに行われていましたが、その時には草やぶに覆われ人が入れるようなところではありませんでした。
それでも、やぶの中で今もなお黄色い実をつける甘夏を見つけました。甘夏の寿命をとうに超え、何十年も耕作放棄されていたのに、実をつけている。食べてみるとものすごく甘い。私たちはここを「奇跡の甘夏畑」と名づけました。
丁寧に草を刈ると美しい石垣のだんだん畑が姿を現しました。そして夜になると、尾鷲を一望できる素晴らしい夜景、降るような満天の星空、澄んだ空気がそこには広がっていました。
「ここに一度来て泊まってもらい、ここの魅力を肌で感じて欲しい!」
私たちはここで、「海が見えるだんだん畑のキャンプ場 minore」として空間を売っていこうと再スタートを切りました。
寿命を超えて生きている奇跡の甘夏を残すため、開拓に重機を使うことはできないので全て手作りです。大変だからこそ、キャンプ場を作るところから仲間を集めて、たくさんの方と一緒に作ってきました。
そして、2023年8月にオープン。少しずつですが、真っ暗だったところに「灯」がともりはじめています。ひとけのなかったこの場所に、たくさんの人が集い、笑顔が広がりはじめています。
そしてここは地区の中でも高台にあります。地域には今もなお、代々の家を守りながら住み続ける人々がいます。私たちは、もしも災害が起こったとしても、ここは光が灯り続け、地域の方の心の拠り所になれたらと願っています。だから、電気は自然エネルギーで、水は山からの豊富な湧き水を使い、完全オフグリッドなキャンプ場を目指しています。
そして、仲間たちと共に、地域の子どもたちからおじいちゃんおばあちゃん誰でも来られる居場所「むむむ。」を作りました。小学校が終わると地元の子どもたちがランドセルを背負ったままここへきて、宿題をしたり、そのあとは鬼ごっこが始まったり。子どもたちの楽しそうな声が響くようになりました。
尾鷲に残るというあの決断から、順調に進んでいるように見えます。確かにこの挑戦をしてから実に様々なことが始まって進み、新しい出会いもあって、応援してくれる仲間がたくさんいます!
しかしながら、今までやったことのないことに挑戦することは予想以上に本当に大変でした。社員が少ないこともあり、経理・広報・企画・営業・電話対応…次から次へと仕事があり、今までに経験したことのない仕事量、スピード感を求められるようになってしまっています。
「ここの風景を残したい」そのために「海が見えるだんだん畑のキャンプ場 minore」で売り上げを作っていきたいのですが、正直、日常の業務に追われて、売り上げを作る方に力を入れることができておりません。
この挑戦を無謀なまま終わらせたくない。だから今回、弊社のバックオフィスや日常業務を担ってくださる仲間を募集したいと思っています。
プロジェクトが目指すこと
「生まれ育ったふるさと向井地区の石垣のだんだん畑や甘夏畑の風景を残したい。そのためにここの魅力を多くの人に伝えたい。」かつては田んぼや畑だった場所が、耕作放棄地になってしまっているけれど、ここでまた、子どもたちが走りまわり、たくさんの人の笑顔が集まる場所を作りたい。
鉄の仕事から、土の仕事へ。そして土から実りを生み出す仕事へ業態転換をすること。そしてそれが、『世界に先駆けるジャストトランジション』の事例となること。
今世界では「ジャストトランジション」という言葉が言われ始めています。社会が持続可能な方向にシフトする中で、もちろん失われていく産業もあります。その中で、あらゆる人の雇用と権利を守りながら、「公正な移行」をしていこうという考え方です。
尾鷲は火力発電所の廃止・解体によって、世界に先駆けたトランジションの街となりました。
私たちの会社もその影響を受け、変革を迫られて今のこの挑戦に至りました。
側から見れば、経験もないキャンプ事業に挑戦することは「無謀」と映るかもしれませんが、私たちはこれを成功させるために、今回仲間を募集し、共に『世界に先駆けるジャストトランジション』の事例を作りたいと思っています。
具体的には、
「オフライン」
・キャンプ場のスタッフ業務(チェックインアウト、掃除、レンタル品在庫管理)
・自社ネットショップの対応(商品の梱包、発送)
・電話、来客対応
・その他のバックオフィス業務や日常業務
私たちの思いに共感し、共にジャストトランジションを作る仲間を募集します。
※オンラインの方の募集は締め切りとさせていただきました。
プロジェクトパートナー
尾鷲ヤードサービス株式会社 笠松千恵子
私は、この尾鷲で生まれ育ちました。「尾鷲ヤードサービス」に入社したのは15年前、発電所の点検やメンテナンスを請負っていたので、経営は順風満帆、私は総務・経理の仕事に従事しておりました。当時社員は25名、会社の雰囲気もよく、私は仕事がどんどん好きになりました。
発電所の撤退が決まり、事業転換した時もほとんどの社員は退職することになりましたが、私は、この会社をなんとしてでも継続させ、社長の決断を実現させたい!その想いで今日までがむしゃらに頑張って来ました。しかし「鉄から土へ」の挑戦は厳しく、また新しい挑戦が始まった今、私一人では抱えきれない仕事をしています。正直、苦しく大変な事もあります、それでも「おわせむかい農園」が始まってからたくさんの仲間が支えてくれて今があります。その仲間に恩返しができるまで、私はこの挑戦を諦めたくはないのです。
是非、私たちに力を貸してください!
募集要項
- 仕事内容
- 【オフライン】 共に支えるバックオフィスパートナー
STEP1:
・私たちの想い、大切にしていることを共有
・火を囲んで仲間になる
STEP2:
・お仕事をレクチャー
STEP3:
・キャンプ場のスタッフ業務(チェックインアウト、掃除、レンタル品在庫管理)
・自社ネットショップの対応(商品の梱包、発送)
・電話、来客対応
STEP4:
・仕事内容をマニュアル化する
※オンラインの方の募集は締め切りとさせていただきました。現在はオフラインの方のみ募集をしております。 - 期待する成果
- 世界に先駆けるジャストトランジションの事例となるため、キャンプ事業で売り上げを作っていけるよう体制づくりをすること
- 得られる経験
- ・街の産業構造の変革の中で、業態転換する企業の挑戦を間近で感じることができる。
・共に世界に先駆けるジャストトランジションの事例を作ることができる。
・耕作放棄地や少子高齢化など地方の社会課題に対して、共に挑戦することができる。
・一生涯の本気の仲間に出会える。 - 対象となる人
- 【こんな人に関わってほしい】
・文章を読み何か力になりたい!仲間になりたい!!と思っていただいた方
・世界の先端事例を作ってみたい方
・難しいことでも思いを持って挑戦したいと思う方
・ワクワクするのが好きな方 - 活動条件
- ▼プロジェクト実施期間(予定)
2023年12月〜2024年2月
※エントリー後、随時面談→マッチングした際は随時プロジェクト開始
※その後の関わり方についても相談させてください
▼活動条件
*オフライン
活動時間:週2~3日(キャンプ繁忙期(3月以降)には土日出勤可能な方)
活動方法:オフライン
※これ以外の関わり方も可能ですので、活動時間・活動方法についてはご相談させてください。
▼選考について
・エントリー〆切日:2024/2/29
・選考スケジュール:エントリー後随時以下のステップで進めていきます。
【1】書類選考→【2】企業面接→【3】合否通知
※エントリー〆切日以降、1週間経過しても返信がない場合は、大変恐縮ですがご連絡いただけますと幸いです。
※応募多数の場合、通知までにお時間をいただく可能性がございます。(その際はご連絡いたします。)
※書類選考について
◎マイページの記載内容(ご経歴、スキル、経験など)
◎エントリー時の志望動機などの内容
上記2点で書類選考をさせていただきますので、十分にご記入いただきますようお願いいたします。
※応募状況により、選考方法の順番や要する期間が変わります。 - 給与/待遇
- 3万円(月額)
※実働量や内容・成果によって、変動可能性あり
※プロボノ・インターンとしての関わり方も可能です。ご相談ください。 - 各種手当て、福利厚生
- ・尾鷲までの交通費は実費。
・その他プロジェクトにかかる経費は、事前に弊社の承諾があった際にはお支払いいたします。 - 募集終了日
- 2024年2月29日(木)
メールの設定により、ふるさと兼業からのメールが届かない場合がございます。
もしメールが届かない際は、迷惑メールフォルダをご確認くださいませ。
また、ドメイン指定受信を設定されている場合は「furusatokengyo.jp」を許可していただくようお願いいたします。
万が一2日以内に連絡がない場合は、お手数ですがふるさと兼業事務局([email protected])までお問い合わせいただきますよう、よろしくお願いいたします。
- プロジェクト開始までの流れ
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募集は終了しました
担当地域パートナーからの推薦ポイント
- 一般社団法人つちからみのれ 日向風花
- 尾鷲ヤードサービス(株)さんは、この文章にもあるとおり全くの異業種にゼロから挑戦されようとしています。「想像をはるかに超えて大変だし苦しいこともある」これは笠松さんがおっしゃっていた言葉です。でもなぜここまでの推進力を持って進んでこれているのか?
それはお二人のハートの熱さと本当に温かい人柄です。「生まれ育った向井地区に子どもの子らが走り回る風景を作りたい」という社長の思い、「大好きなこの会社を何としてでも継続させたい」という笠松さんの思い。その想いは周囲の人を巻き込み、共に進む仲間が増えています。(私もその一人で尾鷲市に移住を決めてしまいました)
「パソコンとかはよう打てんけど、ここ(ハート)だけはある」と社長。
本当に温かくて、優しくて、熱い。そんなお二人の挑戦の、仲間になりませんか? - お問い合わせ先 : [email protected]
団体の紹介
約60年間稼働した火力発電所が撤去され、更地となりました。発電所関連の仕事をしていた尾鷲ヤードサービスは仕事を失い、尾鷲での業態転換か尾鷲を離れて鉄の仕事を続けるかの選択を余儀なくされました。そこで、生まれ育った地元に子どもたちが走り回る風景を作りたいという現社長の思いで、2021年7月尾鷲市にてブルーベリーの観光農園をオープンさせました。ですがそれだけで事業を成り立たせることは難しく、現在新たに耕作放棄地を活用したオフグリッドキャンプ場として挑戦しています。
団体情報
- 団体名
- 尾鷲ヤードサービス株式会社
- 代表者名
- 岡文彦
- 設立
- 1987年11月1日
- 従業員数
- 2名
- 資本金
- 20,000,000円
- 事業内容
- 尾鷲ヤードサービス株式会社は三重県尾鷲市で中部電力株式会社尾鷲三田火力発電所の工場施設等の保全や環境整備を主に、業務を遂行していた。しかし尾鷲三田火力発電所の撤退に伴い、2018年に新規事業である農業に参入。尾鷲ヤードサービス株式会社の農業部門としておわせむかい農園(管理会社尾鷲ヤードサービス株式会社)を始める。おわせむかい農園ではブルーベリー狩りなどの体験農園の運営や地元伝統野菜「虎の尾(青唐辛子)」の栽培・商品開発を通した地域文化の継承を行なっているが、農業だけで事業を成り立たせることが難しく。現在は新たに耕作放棄地を活用したオフグリッドキャンプ場「海が見える段々畑のキャンプ場 minore」を2023年8月にオープンし、新規事業として挑戦を続けている。
- 業種
- サービス業
- WEB
- https://owasemukaifarm.com
- 住所
- 三重県尾鷲市大字南浦字向井空谷4488-1
- アクセス
- 【電車でのアクセス】
JR紀勢本線「尾鷲駅」から徒歩約40分(タクシー10分)
【車でのアクセス】
<大阪・京都・名古屋方面から>
紀勢自動車道「尾鷲北IC」から約10分
<新宮・熊野方面から>
紀勢自動車道「尾鷲南IC」から約10分
施設前に駐車場あり
- お問い合わせ状況
-
2024年10月01日
神奈川県の地方公共団体様よりお問い合わせをいただきました。2024年08月26日
長野県の企業様より、お問い合わせをいただきました。2024年08月06日
東京都の企業様より、お問い合わせをいただきました。2024年06月21日
東京都の企業様より、事業連携のお問い合わせをいただきました。2024年06月25日
宮城県の企業様より、お問い合わせをいただきました。2024年06月07日
石川県の企業様より、お問い合わせをいただきました。2024年04月08日
三重県の企業様より、お問い合わせをいただきました。2024年02月26日
宮城県の企業様より、お問い合わせをいただきました。2024年03月18日
徳島県の団体様よりお問い合わせをいただきました。2024年03月28日
東京都の企業様より、お問い合わせをいただきました。2024年03月14日
福岡県の地方公共団体様より、お問い合わせをいただきました。2024年03月06日
熊本県の企業様より、お問い合わせをいただきました。2024年03月04日
東京都の企業様より、お問い合わせをいただきました。2024年03月01日
北海道の地方公共団体様より、お問い合わせをいただきました。2024年02月28日
愛知県の企業様より、お問い合わせをいただきました。2024年02月19日
三重県の企業様より、お問い合わせをいただきました。2024年02月07日
東京都の企業様より、お問い合わせをいただきました。2024年02月01日
東京都の企業様より、取材のお問い合わせをいただきました。2024年03月21日
東京都の企業様より、取材のお問い合わせをいただきました。2024年02月01日
青森県の大学シンポジウムでの講演依頼をいただきました。