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尺八文化のこの先100年の歴史を紡ぐ。次期家元と仕掛ける文化存続のための挑戦
~ファンドレイジング及びプラスチック製尺八の販路開拓~

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尺八文化のこの先100年の歴史を紡ぐ。次期家元と仕掛ける文化存続のための挑戦<br>~ファンドレイジング及びプラスチック製尺八の販路開拓~

プロジェクトについて

古いものが廃れ、新しく時代に適したものが残ることは、まるで水が流れるように自然なことなのでしょう。

 

「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
淀みに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。」

 

誰もが一度は口にしたことがあるであろう『方丈記』の一説。
制作から何百年を経た今も残るこの文章は、この世の真実を物語っているのかもしれません。

 

しかし、この無常の流れを繋ぎ止め、また新たな時代を切り拓くことが私たちにはできるのではないでしょうか。私たちは上田流尺八道、ひいては尺八文化のこの先100年の歴史を共に創る仲間を募集します。

 

 

<尺八の歴史>
 尺八という楽器を全く知らない、という方は少ないでしょう。しかし、それに触れたことがある、あるいは嗜んでいるという方は、そう多くはないのではないでしょうか。
 尺八の歴史は古く、原型となる竹の楽器が中央アジアで作られ、仏教の伝来と共に中国から日本に伝えられたとされています。丁度上記の方丈記が執筆された鎌倉時代、尺八は武家の嗜みとされ仏教と共に広く普及していました。しかし江戸時代以降、尺八は「法器」として普化宗の虚無僧のみが演奏するものとして法度で決められ、虚無僧以外の者には尺八を吹奏することは許されませんでした。そして江戸幕府の崩壊後、宗派の解体がなされると共に尺八が一般の人々手に渡り、箏や三弦の発達と相俟ってそれらの楽器と合奏するようになり、再び尺八文化は広まったのです。

 

 明治時代以降の尺八文化の興りは目覚ましいものでした。人々は三曲として箏や三弦と共にそれに親しみ、日夜音楽を楽しんだものでした。殊に琴古流・都山流の2つの流派は日本の尺八流派の2台巨頭として多くの門徒を抱えました。

 

 

 

<上田流尺八道の歴史>
 さて、芸術が興る時、その志によって道を違え分派する、ということは往々にして起こりうるものです。現在琴古流、都山流に次ぐ第3の流派として門徒を抱える上田流尺八道もその一つでした。

 

 時は明治後期。大阪の上田家の長男として生まれた上田喜一は、幼少の事から神童と呼ばれ、近所でも評判の児童でありました。当時普及していたとはいえ尺八という難楽器をわずか7歳で吹き、周囲の人々を驚かせたことから「尺八の申し子」とも呼ばれていました。明治後期には関西尺八界の中心となっていた都山流に齢15で内弟子として入門し、その腕をさらに磨きました。そして入門わずか2年後には自身が講師となって弟子に教えるようになっていたのです。

 喜一の才は演奏にとどまらず、作曲にも現れました。当時尺八は三曲として箏や三弦と共に演奏する曲が多く、尺八のみで演奏するような曲は多くありませんでしたが、喜一はこれの制作に意欲的でした。「尺八そのものを純粋に楽しみたい、条件や流派に左右されずに尺八を広めたい」そんな想いがあったのでしょう。そうして作られた自作の新しい曲たちは大層評判になり、この評判がまた評判を生み、喜一に教えを乞う者も相当な人数になってゆきました。

 

 

 こうして尺八界での信頼を高めていった喜一は、より自由な作曲活動のために都山流を離れることを決意します。もっと自由に尺八そのものを楽しみたい、そうして作られたのが「上田流尺八道」でした。これは今から103年前、大正6年のことです。

 上田流尺八道の最大の特徴は、垣根を越えて自由に音楽を探求しようとする開かれた姿勢、つまり「道」と言えるでしょう。華道や茶道、書道といった伝統文化と同様に「道」として芸を極めることに上田流は重きを置いています。上田流尺八道の流祖上田芳憧が昭和22年に発表した“真髄文”には、次の言葉が記されています。

【夫れ尺八道は竹の如き心もて仁義禮智信五孔を堅く握り締め誠心を以って吹き貫くを謂う也】

この真髄文に込められた想いを、創始者喜一の息子である現家元は次の動画で語っています。

 

 

 上田流が「道」として尺八を探求していった結果生まれたものが、約100曲に及ぶ尺八独奏の本曲や、尺八の近代化の一環として作られた七孔尺八の普及、五線譜の導入などでした。上田流のこれらの活躍は、流派にとどまらず尺八文化全体の底上げに大いに貢献しました。

 

 

時は令和。私たちは今、さらなる時代の波に飲まれようとしています。
尺八文化のかつての隆盛は、生活の西洋化を始めとした文化の変容の中で衰えてきています。弟子の高齢化、門徒の減少、それに加えてコロナ禍で対面での練習ができないという現状が、この衰退に拍車をかけようとしています。

私たちは岐路に立たされています。

私たちはこの度、曾祖父が創り上げたこの流派や本曲、そして尺八文化を守り、次の100年の歴史を紡ぐために新たに挑戦をします。

プロジェクトが目指すこと

 コロナ禍で対面練習が実施できなくなり、尺八を含む多くの音楽文化が危機に瀕しています。このプロジェクトは、上田流尺八道、ひいては尺八文化の存続のために上田流尺八道の次期家元と共に仕掛けるプロジェクトです。プロジェクトは第1期・第2期の二つに分かれます。

 

 第1期では、日本古来の楽器である尺八の文化を守り次世代へと継承してゆくために、尺八文化の普及を図ります。尺八をもっと現代において身近なものにするため、プラスチック製の尺八を製造し、その販路開拓に挑みます。

 第2期では、このコロナ禍で対面練習が再開できない中、オンラインでの練習環境を整えるためのプラットフォームを作成します。

 

この二つのプロジェクトを通じて、

「100年続いた上田流と流祖の作曲した楽曲を1人でも多くの人に伝えていきたい。
上田流を育ててくれた日本の尺八文化を守りたい。」

という次期家元の想いを形にしてゆきます。

 

 

第1期となる今回は尺八文化のすそ野を広げ、この先100年の歴史を新たに紡いでゆくために、ファンドレイジングの企画・運用を行いつつ、プラスチック製尺八の製造・販路開拓を行います。

 

 第1期のプロジェクトの目的は、尺八の伝統を守り育ててゆくために文化のすそ野を広げることです。そのために、尺八をより現代人にとって身近なものにするためのプラスチック製尺八の製造、そして販路開拓に挑みます。これに伴いファンドレイジングも同時進行で行います。

 

<クラウドファンディングや補助金を活用したファンドレイジング>

 上田流尺八道の家元は個人事業主として流派を守ってきましたが、新たな動きを起こすために先立つ資金が潤沢にあるわけではありません。そこで、上記の活動を進めてゆくため、資金調達が必要になってきます。クラウドファンディングや補助金を活用した資金調達を考えており、その企画を共に考え動いてくれる方を募集します。

 

 

<プラスチック製尺八の販路開拓>

 尺八人口の減少の理由の一つに、その値段の高さというものがあります。竹から職人がひとつひとつ手づくりしているため、通常値段は1本10万円以上。竹よりも加工の簡単な木製の尺八でも数万円、既存のプラスチック製尺八でも1万円以上してしまうのが現状です。それよりももっと身近に、リコーダーと同じようなレベルで人々に親しんでもらえるような尺八を作りたいと思っています。そこで、手に入りやすい値段で扱いやすいプラスチック製の尺八を製造し、その販路開拓を進めてゆきます。営業先として、学校や楽器メーカーを想定しています。

プロジェクトパートナー

家元輔佐(次期四代目家元)田辺 新一(芳詠)

 

<略歴>

大阪出身。
幼少から祖父である家元に師事し尺八を学ぶ。
大学卒業後トヨタ自動車で勤務。
2017-2019は中国 広州へ駐在。
帰国後から家元補佐として上田流の理事会へも参加し、
次期家元として上田流の維持・発展を考える。

 

<メッセージ>

「小さい頃から尺八を祖父に教わってきましたが、本当に自分が尺八の流派を受け継ぐとは、実感がありませんでした。週に1度、祖父の家に行くのは、お小遣いとおやつが目的でした。

 

 会社の仕事で2017年から三年間海外(中国)へ赴任。帰国して90歳を越えた祖父から、「次は頼むぞ」と言われて、ようやく実感が湧きました。次は自分がこの流派を次世代に繋いでいかなければならない・・・これまで尺八を続けてきた弟子の皆さん、昔は可愛がってくれた方々も今はだんだん高齢になり、徐々にですが、確実に、尺八人口は減っていっています。

 小さな流派ですが、これまでの時代を生き残って必要とされてきたものです。そこには、生き残ってきたなりの理由があるように思います。たくさんの人の想いが込められているように感じるんです。

 100年続いた上田流と流祖の作曲した楽曲を1人でも多くの人に伝えていきたい。上田流を育ててくれた日本の尺八文化を守りたい。皆さんの力をお借りし、なんとかこの想いを実現していきたいと思います。

 

 上田流だけが生き残れれば、という考えはありません。今の危機は尺八文化全体、日本の伝統芸能全体の危機だと感じています。その保全を通じて、その中で、上田流も色を残していければ・・・そのためには、我々も形を変えて、皆さんに受け入れられ易くしていく必要があると思います。『これまでこうだったから』ということは理由にしません。

 

 これまで尺八に触れたことがない・見たことが無い方でも、想いに共感いただける方なら大歓迎です。ぜひ、力を貸してください。」

募集要項

仕事内容
 このプロジェクトは、プロジェクト全体の資金調達の設計と同時並行で、尺八文化のすそ野を広げるためプラスチック製尺八の認知拡大のための戦略設計をしてゆきます。そして、集まった資金で実際に製造されたものの販路開拓へ挑んでゆく、という流れになります。
 そこで、ファンドレイジングの企画・実働を担当して頂く方(Type.1)、そして、プラスチック製尺八の販路開拓のために動いてくれる方(Type.2)と担当を分け、全体で3名前後をメンバーとして募集します。相互に影響・作用しあってゆくプロジェクトですので、それぞれが全く別の活動をするわけではなく1つのチームとして活動してゆきます。
 エントリーの際、ぜひ上記2分野のどちらのエントリー希望かを明記して頂けますと幸いです。


【Type.1】ファンドレイジングの企画・実働
・プロジェクト全体の資金調達の設計
 -クラウドファンディング、補助金、協賛など含めて、全体の設計をプロジェクトパートナーと共に設計します。
・クラウドファンディングの設計
 -リターン・期間・目標金額・ターゲット決定等
 -このクラウドファンディングは All or Nothing 型を想定しています。
・補助金等のリサーチ・申請
 -活用できそうな補助金の調査と申請も場合によっては含まれます。

【Type.2】プラスチック製尺八の販路開拓
・共同開発先のリサーチ
 -確定ではありませんが、楽器メーカーとの共同開発も視野に入れています。
・プラスチック製尺八の製造先の確定、企画の決定
 -製造の取引も含め、プロジェクトパートナーと共に動いていただきます。
・マーケティングと営業先の策定・調査
 -教育機関や楽器関係の会社を現在営業先として想定しています。
・出来上がった尺八を基に、実際に販路開拓を進めます。
 -場合によってはメーカーなどへの交渉、営業先への訪問等実働が伴います。
期待する成果
・尺八という伝統文化のすそ野を広げる
・クラウドファンディングの達成
・プラスチック製尺八の製造・認知拡大
得られる経験
・伝統芸能に当事者として触れる経験
・小さい会社をひとつ立ち上げるような経験
・ものづくりとそれに付随するサービスを作り上げる経験
対象となる人
募集人数:3名前後
・音楽・伝統芸能に関心がある方
・このままでは消えかねない文化を存続させたい、という想いをお持ちの方
<歓迎スキル>
・クラウドファンディングの経験がある方
・販売経験のある方(リテール及びBtoB)
・教育機関、音楽関係向けに人脈のある方

活動条件
3-6か月
2週間に1-2回のミーティング(各回1-2時間ほど)にて、進捗の共有と方針決定を行います。
その他は個人タスクに分かれ、作業をしていただきます。
クラウドファンディング達成後は販路拡大へとステップが進みますので、その際は動きが変則的になってきます。

<選考について>
※応募者多数の場合、書類選考を行う可能性がございます。
◎マイページの記載内容(ご経歴、スキル、経験など)
◎エントリー時の志望動機の内容
上記2点で書類選考をさせていただきますので、十分にご記入いただきますよう、予めお願いいたします。
給与・待遇
謝金:1万円/月
※このプロジェクトの実働量に比べ、謝金としては十分にお返しできない状況です。
謝金以外にお返しできるものとして
・プラスチック製尺八の提供
・伊勢神宮への奉奏へのご招待
といった、尺八文化に触れてもらえるような機会をご提供いたします。

プロボノとしての参画ももちろん歓迎します。
活動場所
リモート可。
販路開拓のために営業先への訪問に行っていただく場合もございます。

※上田流尺八道の拠点は大阪ですが、次期家元の田辺さんが現在愛知を拠点として活動されているため、愛知を拠点として募集しています。
募集終了日
2020年10月31日(土)

担当地域パートナーからの推薦ポイント

NPO法人G-net 日野ひかり
みなさま、ここまで読んでくださってありがとうございます。
想いの丈を文章にした結果超大作となってしまいましたが、伝わったでしょうか。
ふるさと兼業としても初の試みとなる、企業や団体とではない、伝統芸能の次期家元とのプロジェクトです。
プロジェクトパートナーとなる田辺さんが仰るように、「これまで尺八に触れたことがない・見たことが無い方でも、想いに共感いただける方なら大歓迎です」。
共に挑戦してくださる方のエントリーをお待ちしております。
お問い合わせ先 : info@furusatokengyo.jp
/058-263-2162

団体の紹介

流祖上田芳憧が大正6年に音楽の自由を標榜して都山流から独立し上田流を創立したのが始まりです。流祖は五線譜の活用や七孔尺八の登用など尺八の近代化に努めました。

団体情報

団体名
上田流尺八道
代表者名
三代目家元 上田芳誠
設立
大正6年3月
従業員数
師範数:約250人(全国)
事業内容
流祖上田芳憧が大正6年、20歳代で大阪に設立した日本3番手となる尺八の流派。
生前に作曲した曲数は約100曲にのぼる。
自由闊達な方針で、他流派との交流も積極的に推奨する。
現在は流祖の次男、芳誠が三代目家元を担い、平成16年(2016年)には100周年を迎えている。

WEB
http://www.uedaryu.jp/index.html

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