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ふるさと兼業

2025年シェアプロ参加者の発表

 

1) 石川県 能登地域(七尾市)

▶地域コーディネーター: 株式会社御祓川  

▶受け入れ企業: 株式会社大吞(おおのみ)

▶シェアプロ生3名

シェアプロ生:

大呑集落は、石川県七尾市の南端にあります。人口減少、高齢化による農業・漁業の衰退が問題視されてきましたが、2024年の能登半島地震、同年9月の豪雨により、集落経営はさらに難しくなっています。住民有志による株式会社大吞では、能登地方の海産物や加工品などを手掛けるほか、宿泊施設「おおのみビレッジ」の運営を行っています。今回は、持続可能な集落経営モデルの確立を目指して、何かお手伝いできないかと取り組んできました。

現地を訪れて、景観や食文化、優しくて温かい人といった大呑の魅力をフルに活かして関係人口を増やしたいと考えました。

ファーストステップとして、企業研修という形で大吞を訪れてもらうことで、大吞の魅力が伝わり、関係人口が増えていくのではないかと考えました。


 

現地を訪れて大吞の魅力を体感し、この地域にいい提案をしたいと考えて取り組み始めました。ただ、オンラインミーティングの中で、その思いが空回りしてしまい、オーナーや地域の皆さんになかなか思いが伝わらず、議論が前に進まない葛藤の時期が2ヶ月ほどありました。

企業目線の我々は、完璧な提案を目指し、完璧な合意を取ってから動くことが当たり前になっていたようです。コーディネーターからの問いかけをきっかけにそうした姿勢に気付き、地域の方と一緒に仮説を検討していくスタイルで、地域という場での身近な一歩を考えてみることにしました。そして、時間をかけるべきところにはかけ、対話を大事にして関係構築を進めていくようにしました。

そうした中で、大企業のミドル層を対象とした企業研修の企画を立てました。26年度中の実施を目指して、引き続き地域の皆さんと協働していきたいと考えています。


 

原田さん:

「身近な一歩」というお話がありましたが、それは具体的にどんなことだったのか、どのように「一歩」として小さくして動きやすくしていったのか、その工夫などご紹介いただけますか。


 

シェアプロ生:

我々としては、大企業的な発想で、大きな方向性を合意してからでないと次に進めてはいけないのではないかと思っていたところがありました。ただ、地域の皆さんから見ると、それも大事だけれど、目の前の問題にどう向き合っていくか、大吞をどう守っていくのかというのが、とても大事にしなければならないところでした。そうした時に、大きな考え方というより、具体的な一歩を踏み出すことが大事で、具体的にしていかないと、大きな構想を実現することもできないのです。


 

シェアプロ生:

もっとシンプルに言うと、企業を背負ってしまっているところがありました。それを、個人としてやれること、自分でやれることをやっていくようにと考えました。


 

原田さん:

「個人として動く」というのは、会社を背負ってしまうとなかなかできないですよね。コーディネーターの皆さんからもいかがですか。


 

御祓川  酒井可奈子さん:

大吞地区は、相当長い時間をかけて外部人材を受け入れてきた地域です。うまくいかないことがあってもあきらめずに、集落の未来に向けて、外の力と一緒にやっていきたいという思いで今回のプロジェクトに至りました。長い時間をかけてご一緒できるような方々と未来を作っていきたいと、私たちも思っています。


 

御祓川 森山奈美さん:

今、そしてこれから能登において試されているのは、自然と人間がどう向き合うか、都市と田舎がどう支え合うかだと考えています。こうした課題に取り組むことで、世界の課題を解決していく最先端の挑戦を大吞からしていければと考えています。


 

2)三重県 南伊勢町

▶地域コーディネーター: 株式会社Dream3.0  

▶受け入れ企業: 有限会社友栄水産

▶シェアプロ生3名

シェアプロ生:

南伊勢町は、伊勢神宮から車で約1時間半のところにあり、人口約1万人の、リアス式海岸が非常に美しいまちです。

有限会社友栄水産では、真鯛を中心とした魚類養殖や水産加工・販売を行っています。また、本格的な漁師体験をはじめ、豊富な体験コンテンツが味わえるサービスや、宿泊事業(漁村体験型ゲストハウス「まるきんまる」)も運営しています。


 

今回のプロジェクトでは、宿泊事業の年間売上を現状の600万円から1000万円へ引き上げることを目指しました。それに向けて「まるきんまる」のコンテンツ、ターゲット、価格、訴求方法を整理し、南伊勢の魅力を最適なタイミングで届けるための実証実験を実施することにしました。
あわせて、来訪者データを活用した分析体制と効果的なPR戦略のフローを構築することをプロジェクト終了時のゴールとしました。


 

ターゲットとしてはインターナショナルと越境研修を考え、さまざまなコミュニティやインフルエンサーなどとつながりながら、リサーチやヒアリングを行いました。

そして、モニターツアーを開催しました。シェアプロ生の所属企業やコーディネーター、コミュニティなどのつながりから5名の参加者がありました。


 

悩みながらさまざまなことに手を出してみましたが、地域に住んでいる方に参加していただきながら進められると、もっと我々の活動が広げられるのではないかと感じました。

また、我々は遠くの方をずっと見ていたような気がします。改めて地域の方々と話したときに、もっと近くの人から集めていく方が、うまく伝わって収益増にもつながるのではないかと気づきました。

地域に挑戦者がいることで、外部の方との関係人口が生まれていきます。参加している我々も、友達やつながりができて輪が広がっていくのを感じました。


 

原田さん:

先ほどのチームでもありましたが、小さな一歩がどこにあるのかというのがポイントになっていたようですね。「遠くへ行かなくても、身の回りに来てくれる人がいるのではないか」など、地域の解像度が上がるからこそ、一歩目が見えてくるのではないかと感じました。受け入れ側からもぜひ一言お願いします。


 

友栄水産 橋本純さん:

やはり人材が来てくれて話すことで新しい視点が得られるので、経営側としてもありがたいです。今一度私自身も、近い地域のことから考えてみたいと思います。


 

原田さん:

受け入れ側にとっても、自社を改めて見直すきっかけになったようですね。

先ほど、企業の看板を背負うという話が出ましたが、こちらはいかがでしたか。


 

シェアプロ生:

「看板を背負って」という気持ちは特になかったです。私自身は、入社からずっと同じ企業、同じ文化の中にいるので、その常識や感覚が合っているのか知りたくて、今回参加しました。

やはり考え方は違いますので、それにリスペクトを持ち、その意見をとり入れながら、自分たちの意見と擦り合わせることはできたと思います。


 

原田さん:

ご自身の「常識」は「常識」でしたか。


 

シェアプロ生:

これまでは、「必ずここまで到達するだろう」という考えのもとに仕事を進めてきました。しかし今回のプロジェクトは、私自身は完全に、先が見えていません。今までは、見えていないことが不安でしたし、会社であればその状態で進めることはできないと思います。今回はその状態で進めることにチャレンジし、自分の中での「当たり前」が変わった感覚があります。


 

3) 岐阜県 美濃加茂市

▶地域コーディネーター: NPO法人G-net

▶受け入れ企業: 株式会社大自然/株式会社シーブリッジ

▶シェアプロ生3名

シェアプロ生:

岐阜県美濃加茂市は名古屋から車で約1時間半ほどと、それほどアクセスの悪い場所ではありません。その中の三和町廿屋(つづや)は18世帯からなる小さな集落です。そこで、
「都会にはない豊かさ」を体験として届け、地域への愛着と移住の循環を生み出す拠点として「つづやビレッジ」が生まれました。大自然とシーブリッジの2企業で、つづやビレッジの、里山のサウナと古民家宿を運営しています。


今回のプロジェクトでは、その持続的な運営に向け、課題である冬季の売上向上に挑み、法人・団体向けの新たな滞在プランを開発しました。


 

実際に現地に行ってみて我々が感じた魅力は、圧倒的な静けさの中で自分と向き合うことができ、自然に本音の対話が生まれる空間だということです。そこで、「内省と対話」をテーマとした企業向け合宿プランを企画しました。


 

集客プランには苦戦しました。リードがなく、企業にアプローチする方法がなかったり、研修のニーズは潜在的であることが多く、それを顕在化するところから必要だったりするためです。ファンミーティングで使ってもらえるようなインフルエンサーや、企業研修を行う会社、体験コンテンツを扱うウェブサイトなどへのアプローチを行いました。


 

今後は、企業合宿の専門家を招いたイベントを開催する予定です。他にも、この場の魅力を知ってもらい、選ばれ続けることを目指して、さまざまな取り組みを考えています。


 

活動を通して、目的を見失わないことはとても大事だと感じました。最初は目先のことを意識するところが強かったですが、バランスよく設定することが大事だと学びました。

また、うまく行かなくても次の一手を打ち続けていくことは大切だと改めて感じました。


 

原田さん:

今回は最終的に3チームとも、企業研修を企画する形になりました。とはいえ、インバウンドも含めたり、合宿だったり、さまざまなパターンがあります。

こうしたことには、実は再現可能性もあるのではないかと思います。さまざまな地域がそれぞれ試行錯誤をして、こんな企画ができた。

ここからが勝負なので、頑張っていただけたらなと思います。 

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