愛する地域と共感する事業で選ぶプロジェクト型兼業・プロボノweb

Facebook X Instagram YouTube

ふるさと兼業

1年前のシェアプロ生による振り返り


 2024年シェアプロ生 Aさん

受け入れ地域:三重県尾鷲市

受け入れ企業:株式会社尾鷲ヤードサービス 

 

 Aさん:

「現職に活かしやすかった学び」として、組織のWillと個人のWillを見つめ直した点があります。

企業では組織のWillが個人のMustになり、個人のWillと重なりにくいことが多いですが、おわせむかい農園では両者がほぼ一致していると感じました。そこから、やりがいを感じにくい背景には、このズレがあるのではないかと気づきました。

現在は部長として、組織と個人のWillを重ねることを意識し、メンバーにも共有しています。

シェアプロ終了後も3人で関わりを続けており、その関係は本業のモチベーションにもつながっています。両立してしっかり取り組もうという意識が高まっています。


 

2024年シェアプロ生 Bさん

受け入れ地域:宮城県気仙沼市   

受け入れ企業:株式会社カネダイ   

 

Bさん:

シェアプロ終了後の2025年3月に役職勇退し、4月からは社内のDEI推進部署で、育児や介護など制約のある社員の支援に取り組んでいます。

社内では越境研修や副業に関する講演、保護動物活動のイベントも実施しています。

社外でも地方創生やカウンセリングの副業に取り組み、コーチ資格の取得に向けた学びを進めています。受け入れ企業との交流も継続しています。

 

人事担当者も交えて、当時の葛藤や学びの活用、1年後の変化について議論


 

個人/企業/地域/社会における越境の可能性

 

原田さん:

シェアプロに参加した方々がホームに戻ってきたときに、自分の組織に対するエンゲージメントがどうなったのかということです。

「外を経験すると、転職してしまうのではないか」という質問をよく受けます。実際はどうなのか、ぜひお話しいただきたいです。


 

グループ1の発表:

シェアプロでは雇用関係にはならないので、本業の会社のように、上司や仲間に嫌われないようにしなくてはならないわけではないはずです。

最初からみんながもう少し自由にやっていくためには、最初にもう少し、実際に会う時間を作った方がいいのではないかという意見が出ました。その方が打ち解けやすくて、最後に焦らなくていいのではないでしょうか。


 

受け入れ企業担当者:

企業では自社のために働きますが、地域での活動は売上に直結しない「本物の貢献」です。それを実感できたことが自己肯定感や喜びにつながり、継続したいという意欲を生んでいるのだと思います。


 

原田さん:

大きい組織では、部署ごとに機能が細かく分かれているので、自分が今している仕事が何につながっているのか、見えにくいところがあると思います。

一方で地域では、目の前で人が喜んでいる。例えば、携わった場所に泊まりに来てくれた人の顔も見られます。それはとてもリアルで、貢献や手触りも感じやすいのではないかと感じます。


 

グループ2の発表:

シェアプロ経験者の「企業の看板を外し、何を実行しどう学ぶか」という言葉が印象的でした。

一方で人事としては、成長やキャリアへの価値を認めつつも、投資に対する企業への還元や、外に意識が向きすぎないかに悩みもあります。


 

24年シェアプロ生:

人事の方が心配されているような形で、外に目が向くということはあまりありませんでした。

強く感じたのは、先ほども出ていた「手触り感」です。自分自身の今の仕事が、誰のどういう課題にどうつながっているのか、日々の仕事だと見えなかったところがありました。一方では受け入れ企業での活動では、それを強く意識せざるを得ない環境がありました。自分の仕事のありがたさや、進め方をより意識するようになりました。


 

原田さん:

人事側としては、予算を取る以上、研修実施の理由を経営側に示さなければならないですよね。


 

24年シェアプロ生:

昨年9月から大学院に通い、修士論文ではプロボノ経験を企業への貢献につなげる条件の明確化に取り組んでいます。

自発的な参加のため個人の学びで終わる可能性もありますが、実際には周囲の関心や行動変容にもつながりました。こうした効果を定量化し示すことで、プロボノの広がりにつなげたいと考えています。


 

原田さん:

先日、早稲田大学の入山先生が「結局、越境で大事なのは遊び」だとおっしゃっていました。「これが得られるから、ここに行ってこういう経験して帰ってきましょう」というのは、あらかじめわかっている範囲の話ですよね。むしろ、未知なところに行って「こんな物もって帰ってきたんだ、どうしよう」という状況にならない限り、組織の変化は起こらないのではないかということです。

どれくらい事前の確からしさを持っておくのか、未知度を残しておくのか。程度の問題だと思いますが、難しいですよね。


 

グループ3の発表:

昨年参加された方からは、今も継続して通い続けている中で、だんだん受け入れ側の反応が変わってきているのを実感しているという話がありました。

また、原田先生がおっしゃっていたエンゲージメントに関して、企業のものの考え方や時間軸を意識した仕事ができるようになったという話が出ました。


 

24年シェアプロ生:

熊本県五木村でのシェアプロに参加したのですが、そこで感じたことの一つが、地域の内部に時間軸があるということです。地域の時間軸があり、自分の時間軸があります。村の10年後、20年後にどうなるか。自分の所属している会社が10年後、20年後にどうなるか。それを考えるようになると、自分が会社に何ができるのかと考え、イメージを持てるようになりました。


 

原田さん:

素晴らしいですね。企業の中にいると、どうしても短期的な時間軸で、短期の目標達成に縛られがちですよね。地域の流れの中で、その時間軸が引き伸ばされて、それがエンゲージメントに繋がるのが面白いですね。


 

グループ4の発表:

会社の支援で参加している以上、どう還元するか、どれだけリターンを生み出せるかを常に意識しています。

私の場合は新規事業やオープンイノベーションに関わっているため外での人脈や資源を活かしやすいですが、職種によって差はあります。ただ、本業とどう結びつけるかを考えること自体は重要だと思います。


 

原田さん:

このグループには、今日、越境についての話をほとんど初めて聞いたという方もいらっしゃいました。フレッシュな感想をお聞かせいただけますか。


 

企業人事担当者:

我々は社会的価値の創造と経済的価値の創造をどう共存させるかをいつも考えています。業績やステークホルダーのことを考えると、どうしても経済的価値を考える必要があります。人材育成や、社会の変化への対応はとても大事だと思っていますが、そこに重点を置くことについて、ステークホルダーに対する意識の高い経営層の総意をどう取るかが、越境研修実施に向けた一つ目の課題です。

もう一つの課題は、BtoB企業とBtoC企業の違いです。BtoC企業は、人気や認知度も社会的価値につながるので、越境研修への投資価値はBtoC企業の方が高いのではないかと感じます。私たちはBtoB企業なので、どう行動すべきか悩むところがあります。



 

NPO法人G-net代表の南田と原田さんのコメント


 

南田:

イベント前に原田さんと話していて印象的だったのが「時間軸」というキーワードでした。

24年参加者の皆さんは、わずか1年で大きく変化し、新たなテーマで学び続けたり、環境が変わったりしていました。25年参加者の中にも、3年前と比べて大きく成長されている方がいました。

多くの方が終了後も地域との関係を続け、越境し続けています。この研修はあくまで「きっかけ」で、その後は個人がスパイラル的に成長していく。

そういった時間軸を感じました。

 

NPO法人代表 南田


 

原田さん:

越境を一度経験すると、複利のように効いてくる感覚があります。増えた視点はなくならず、企業だけでなく地域の視点も持ち続けて考えられるようになります。シェアプロの期間だけでなく、その後も成長が続くのではないでしょうか。

自社や自分、地域や社会を俯瞰し、相対化して捉えること、さらに「時間軸」で見ることで、学びはより深まります。

一方で企業にとって時間軸は難しいテーマです。AIのように変化の速い領域がある中で、経営は長期視点も求められ、短期と長期の両方を捉える必要があります。

また、地域とのつながりが薄れる中で、関係を持ち続けること自体に大きな意味があります。一度きりで終わると「消費」になりかねませんが、関係を重ねることで相互理解が進み、関わりやすさも生まれます。周囲を巻き込めば仲間も広がっていく。今後も越境が続いていくことを期待しています。


 

公開範囲 公開日時 コメント可能範囲
一般公開 誰でも書込可能

コメント

コメントを投稿